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教員紹介「教えて!先生」

人間福祉学部 人間福祉学科 植田 美津恵教授

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「研究を通して、世の中を見なさい」
大先輩の言葉が、今も私の原点にあります。

人間福祉学部 人間福祉学科

植田 美津恵教授

主な担当科目
  • 予防医学
  • 保健福祉学概論
  • 公衆衛生学
ほか
  • インタビュー
  • 予防医学
  • 死生学
  • 人間福祉

先生に、いろいろ聞いてみました!

先生は本の執筆やTV番組の監修などでも幅広く活躍されていますが、教育者になる前は何をされていたんですか?

がんの研究から医学ジャーナリストに。 医療業界の裏話を書いていたらTVに出るように。

元々は研究職で、ヘリコバクターピロリ菌と胃がん、予防医学、公衆衛生などについて研究してきました。ある時、国立がんセンター名誉総長の杉村隆先生(故人)に「ピロリ菌の研究はいいが、その研究を通して世の中を見なさい、世界を知りなさい」と言われ、研究を通して人や社会を見てみると、色々なことに気づいたんです。たとえば医療事故は、普通の方なら驚くようなことですが、病院で働く人のなかには仕事の煩雑さや縦割りなどから「事故は起こるだろう」と思っている人もいる。そんな「実はこうなんだよ」という話を「医学ジャーナリスト」という肩書で記事に書いていたら、本を執筆することになり、メディアにも取り上げられるようになりました。

いま取り組まれている研究テーマのうち、代表的なものを挙げてください。

「どのように、自分らしい死を迎えることができるか」ですね。

病院は最後の場ではない。ではどこに自分の死に場所を見出したらいいのか、自分の人生を納得して終わらせるにはどうしたら良いか、これも予防医学・公衆衛生の分野に含まれるテーマだと思っています。色々な取り組みを知るために取材をしていて、「楽に死ぬための方法」というブログも書き、書籍化もされました。(『いつか来る、はじめての死~今をより良く生きるために』ゆいぽおと)
実は一昨年、得度をして僧侶になり、今も仏教の勉強を続けているんです。人の命を守り生かそうとする医療と、往生を願う仏教。両方の世界を知って、このテーマに対する答えを日々考えています。

先生はオフを過ごしている中で、ご自身の研究を意識してしまうことはありますか?

それは「いつでも」です。休日の映画も、研究テーマに沿ったものになってしまいます。

休日に選んで観る映画やドキュメンタリーは、自然と研究テーマに沿ったものになっていますね。普段の生活では「人間観察」が好きで、知らない人を上から下まで見て、何をしている人なのか、何を考えているのか、どんな本を読んでるんだろう、などと考えたりします。これが全然退屈しない(笑)。大学の先生は自身の専門のテーマのみに依存したり固執しがちなところがあると思いますが、やはり研究は自分のテーマの中だけで終わるのではなく、研究を通して常に人や社会を見たい、と思っています。

先生が担当されている科目の中で、特に魅力的な科目を1つ教えてください。

『予防医学』は、すべての人に共通の課題。 学んだことが即、実践として活かせます。

病気の予防はすべての人にとっての課題。病気から身を守るためにどうするか、病気になったときに治療のステップをどう進めるか、そういう非常に身近な内容です。感染症というテーマの中で紹介する「人類の歴史は感染症で始まり、感染症で終わる」という言葉は非常にタイムリーですし、コロナ禍で話題になっているストレスも予防医学の領域で、学生の関心も高いテーマ。また講義の中で認知症を予防するための10カ条を紹介したら「早く両親に教えたい」という学生もいました。学んだらすぐ実践できて、自分や周りのためにもなる科目なんです。

東京通信大学の教員として、この大学の魅力はどういうところだと思いますか?

やはり「通わなくていい」という点ですね。 もちろん教員と学生との交流も大事だと思います。

大学に通わなくていいというのは大きいですね。新型コロナの影響で、通学制の大学でもオンライン授業を余儀なくされましたが、ノウハウがほとんどなかったので教員、学生ともに大変な混乱があったと聞きます。その点、東京通信大学はすごく優位にあると思いますね。一方では、どの学生も他の学生や教員と、もっと関わりたいと考えているようです。基本的には通学しなくても学べる大学だけど、所々で教員、学生との交流にも取り組むのが大事だと考えています。

先生の「コレがお気に入り!」

金の指輪、木彫りの仏像、父との写真

祖母から母へ、母から私に伝わった古い金の指輪。小さすぎて小指にしかはめられませんが、私を守ってくれる気がして手放せません。木彫りの仏像は、母が自分で彫ったもので、底には名前も刻んであります。家族の写真の中で、父と私が一緒の写真は少なく、アルバムからやっと見つけた幼い頃のお祭りの写真を大切にしています。

『夜と霧』

ナチスの収容所から帰還した心理学者で精神科医師のヴィ―クトル・E・フランクルによる著書。17か国で翻訳された大ベストセラー。「生きる」意味を問われます。アウシュビッツの描写は残酷でありながら、全体的に暗くないところもすごい。

『100万回生きた猫』

言わずもがな、佐野洋子さんの名作絵本です。ストーリーの素晴らしさもさることながら、猫の生き生きとした表情が秀逸です。

映画『沈黙』

遠藤周作原作の小説が、スコセッシ監督によって映像化された作品。隠れキリシタンの「宗教に生きる姿」に圧倒されました。この映画を観たことが私が得度に至った直接的な要因です。

言葉「人生、夢のごとし」

身近な人が亡くなったり、死について考えるようになると、人生は本当に短くて、いかにも夢を見ているように感じます。だからこそ大事に生きて、やりたいことをやらないといけない、という思いがあるんです。

先生から、学生のみなさんへ。

人生は、短い。

すべては色々なご縁の中で生きている、という有難さを常に忘れないようにしてください。また、専門分野だけにとらわれず、様々なことに興味を持ってください。全部自分の糧になります。

※プロフィール等の記載内容はすべて2020年12月取材当時のものです。

矢野 明宏

世の中には無意味なことなどありません。「どんな物事にも意味がある」ということを、…

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