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教員紹介「教えて!先生」

情報マネジメント学部 情報マネジメント学科 前川 徹教授

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知らないことを学ぶのは、楽しい。
「学ぶことは楽しいんだ」ということを知ってほしい。

情報マネジメント学部 情報マネジメント学科

前川 徹教授

主な担当科目
  • 情報ビジネス論
  • 経営戦略
  • IT産業論
ほか
  • インタビュー
  • 情報マネジメント
  • プラットフォーム戦略
  • 情報ビジネス

先生に、いろいろ聞いてみました!

先生は、教育者になる前は何をされていたんですか?

旧通産省やJETRO、IPAなどで仕事をしてきました。

大学卒業後、通商産業省(現:経済産業省)に入省して様々な部署を経験し、1994年にJETRO(現:独立行政法人日本貿易振興機構)に出向という形でニューヨークに赴任しました。帰国後は、IPA(現:独立行政法人情報処理推進機構)のセキュリティセンターと技術センターの所長を2年ほど勤め、その後は経産省を休職し、2000年に新設された早稲田大学の独立大学院「国際情報通信研究科」の立ち上げに参加。大学院ができてからは、客員教授(専任扱い)という肩書で、「サイバージャーナリズム論」などを担当しつつ、インターネットの商用利用について研究しました。2003年8月に休職扱いになっていた経産省を辞職し、その後は富士通総研経済研究所でも主任研究員として政策提言などに携わりました。

先生はいまも本学で研究に取り組まれていますが、主な研究テーマは?

主に「プラットフォーム企業の戦略」について研究しています。

1994年にJETROニューヨークに赴任したのですが、ちょうどそのタイミングでインターネットの商用利用が急速に進みました。それで、Yahoo!やAmazonなどの様々なビジネスが立ち上がっていくのを見て、レポートを書き、日本へ報告していました。それがインターネットの商利用を研究する最初のきっかけになり、いまでもインターネット上の新しいビジネスをウォッチしています。

これだけインターネットが普及した現代では、先生の研究テーマも実社会や一人ひとりの生活に密接に関連していますね。

ふだん利用しているインターネットサービスが「こういうビジネスモデルだったのか」と気づかされる、身近な研究です。

そうですね。私の研究や担当科目も一見難しそうなのですが、自分がふだん利用しているサービスに置き換えれば「なるほどこういう仕組みなんだ」と気づかされるはずです。たとえば、オークションサイトなどの「ツー・サイド・プラットフォーム*」を利用するビジネスで顕著に現れるネットワーク効果が分かりやすいと思います。オークションで売りたい人は、買い手がたくさん集まるサイトに出品したい。買いたい人は、たくさん出品されているサイトで選びたい。売り手が集まるサイトに、買い手が集まり、さらに売り手が集まる、という相乗効果で、人気サイトが一人勝ちになってしまいます。

*ツー・サイド・プラットフォーム:例えばオークションサイトにおける売り手と買い手など、異なる立場のユーザーグループを結びつける商品・サービスを指す。

先生が担当する科目の中で、特に魅力的な科目を1つ教えてください

「情報ビジネス論」で「情報財(モノではない財)のビジネス」の面白さを説明します。

担当科目の一つ「情報ビジネス論」では、いわゆる情報財、例えば音楽や映画、ソフトウェアといった「モノではないもののビジネス」の面白さについて話しています。お話ししたツー・サイド・プラットフォームや、情報財ビジネスでよくみられるロックイン(囲い込み)という現象を使う戦略など、マイクロソフトなどのソフトウェア企業や昨今のGAFA*に代表されるインターネット企業が、どういう戦略・仕組みで利益を生み出しているかを説明しています。

*GAFA:Google、Apple、Facebook、Amazonの頭文字。情報ビジネスを代表する4大企業グループとされる。

先生はオフを過ごしている中で、ご自身の研究を意識してしまうことはありますか?

インターネット上で新しいサービスを見つけると、どのようなビジネスモデルなのか考えてしまいます。

インターネットを使っている時に新しいサービスを見つけたり、テレビのニュースなどでインターネットを利用した新しいビジネスが紹介されたりすると、そのビジネスモデルがどうなっているのか、どのような収益モデルになっているのか、類似のサービスとどのように差別化しているのか、持続的競争優位の源泉はどこにあるのかなどをつい考えてしまいます。

先生の「コレがお気に入り!」

時代小説、歴史小説の作家、葉室麟

子どもの頃から様々なジャンルの本を読んできました。冒険小説、ミステリー、サイエンス・フィクション、純文学、時代小説、歴史小説など手当たり次第に読んでいました。これまでに読んだ本の冊数で言えば、ミステリー系が一番多いと思いますが、最近は時代小説、歴史小説が多くなっています。今、読んでいるのは葉室麟のエッセイ「河のほとりで」ですが、葉室麟の小説を読むと背筋が伸びますね。他には、安部龍太郎、山本兼一、伊東潤の作品もよく読みます。

Macintosh(Apple社)のコンピュータ

長年Macintoshのユーザーなので、Macの中に様々なデータが蓄積されています。MacOSの使い方に慣れてしまっているので、なかなか他のOSに乗り換えにくい。これが無いと何もできない…まあ、できなくはないが、日常使うものはずっとMacintoshになってしまう。これが正に、ロックイン(囲い込み)という現象です。

「春風秋霜」

これは葉室麟の小説の中にも出てきた言葉ですが、人に接するときは春風のように穏やかに接し、自分に対しては秋霜のように厳しくしなさい、という意味。ともすれば、この逆、つまり他人に厳しく自分に甘くなってしまいがちですから、常に「春風秋霜」を思い出すようにしています。

先生から、学生のみなさんへ。

常識や通説にとらわれず、モノゴトの本質を見極め、それを活かせる人になってほしい。

世の中にはたくさんの定説や通説がありますが、それが実は間違いだったということもあります。常識や通説にとらわれていると、物事の本質が見えなくなってしまうことも多々あります。また、実社会における課題や問題には、正解が無かったり、正解が100通りあったりします。なので、常識や通説に囚われず、物事の本質を見極めて、それを活かして課題を解決できる人になってほしいと思っています。 それから、何にでも好奇心を持つことが大切です。知らないことを学ぶのは楽しいことです。「学ぶことは楽しいんだ」ということを知ってほしいと思います。

※プロフィール等の記載内容はすべて2020年9月取材当時のものです。

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